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​メッセージ

入局を検討されている方へ・・・

指導医やシニアレジデントからのメッセージを紹介します。

​指導医からの一言

指導医からのひと言

 当教室は昭和24年より開講し、神奈川でも最も歴史のある教室の一つです。そのため神奈川県内の主な基幹病院を関連病院としており、密接な協力体制をとっています。また県内には多くの開業された同門の先輩方がおられ、病診、病院連携も極めて良好です。神奈川県内で整形外科医としての将来を考えておられる先生方には是非とも当教室で研修されることをお勧めいたします。当教室は横浜市大のみでなく、他大学出身のスタッフが多いことも特徴であり、学閥などの閉鎖的雰囲気は全くありません。本院においては関節外科、脊椎、スポーツ、手の外科、腫瘍、と全般的に学ぶことが可能であり、センター病院では多くの人工関節手術、脊椎外科手術を経験することができます。またリウマチ膠原病センターでは年間100例の関節リウマチの手術件数があり、リウマチ外科を重点的に学ぶことが可能です。いずれの施設においても共通している点は、臨床的知識や技能はもちろんですが、研究活動、学会発表や論文作成などの学術的な部分にも重点をおいた指導を行っている点です。興味のあるテーマでの研究を継続することで、将来的には大学院、社会人大学院への進学により学位を取得し、さらに海外留学などの可能性が広がります。

 医療が高度化、専門化する現代において自分の専門分野、研究領域を見つけ、それを磨いていくということは非常に重要です。そのためにはまず幅広く整形外科全般における基本知識、手技を習得し、その上で専門的知識、高度な手術手技を実際に学び、研究活動にも携わることが重要であり、それを可能としている当教室での研修は理想的な環境であると言えます。

先輩女性医師(育児Dr)からのメッセージ

​先輩女性医師(育児Dr)からのメッセージ

■H17年卒 藤崎真理先生

 こんにちは、H19年に横浜市立大学整形外科に入局しました藤崎真理と申します。

私事ですが、H20年に第1子を、また今年11月に第2子を出産しまして、あっという間に2児の母となりました。現在産後約3週間、昼夜を問わない授乳マシンと化す日々・・・。一人目を出産する前は「当直や仕事で寝ないことには慣れてるから楽勝楽勝♪」と考えていましたが、なんと甘い考えだったことか。人にもよりますが、私の場合1年間エンドレスの当直が続いたようなものでした。子供ですからもちろんそこに病気・夜泣き、離乳食を作ったり、他家事様々、お母さんというものはこんなにも忙しいものかと思い知らされました。

 愚痴はさておき、女医にとって妊娠・出産は仕事においても大きな転機です。妊娠中に関しては、労働基準法などの制度に則って働くので、おそらくどなたでも大差ないかと思います。ただ、産後の復職は、家庭の事情・所属する職場の方針・また自分が育児と仕事のバランスをどのようにしたいのか、この3つがポイントになってくるかと思います。

 

 まずは私の場合を例にあげてお話したいと思います。

 冒頭に「産休・育児Dr」と書きましたが、当整形外科学教室には「育児Dr制度」という独自のものがあります。 (当サイト「入局案内」>「教室の特徴」を参照)

 育休後の復職について、毎年医局長の先生と相談・あるいは面談し、来年度の働き方について希望を聞いて頂いています。現在この制度に則って働いている女医さんは私を含め2名です。

 

 私の場合は、一人目を出産して半年で復職。夫の職場の関係で遠方に住んでいたこと、子供が小さいうちは育児もしつつ少しずつ復帰してゆきたいという希望を聞いて頂きました。その結果、

  • 復職1年目:大学半日、外勤半日 

  • 復職2、3年目:大学半日、外勤2日  

  • 復職4年目:大学半日、外勤2日(→3日に増やしてもらおうと思っていた矢先に妊娠!)

というような「部分復帰」の形で働かせて頂いていました。

 「部分復帰」では病棟の患者さんを受け持ったりはできず、フルタイムの時のような前進はできませんが、少しずつでも経験・知識を積み上げていくことの重要さを日々実感しながら働いています。医局の先生方は皆本当に親切で、少しでも勉強になる機会を与えてくださろうと考えてくださっています。復職2年目以降は、入局1年目でお世話になった横浜市民病院で手術にも関わらせて頂きました。大学ではリウマチ外来を担当させて頂き、一般病院ではなかなか多くの症例を経験できない関節リウマチについて知識を深めることができました。また、外勤先では外傷や変性疾患などについても継続的に経験することができます。

 他の職場で働く女医さんに話を聞きますと、なかなかこのような医局はなく、極端な場合は完全に復帰するか辞めるかの選択を迫られたりすることもあるようです。色々な話を聞いていると、私は本当に恵まれた環境で働いているなぁとつくづく感じます。このような機会を与えて下さった先生方には本当に感謝しています。

 

 もちろん、悩みも多々あります。同期や後輩がどんどん成長していく姿を後ろから眺めているような気持ちになって焦ることもあります。フルタイムでベビーシッターを活用しながらバリバリ働いている女医さんたちを見ていると、自分は頑張りが足りないのではないかと思うことも。そんな悩みも含めて一緒に考えてくださる方々のお陰で、前向きに考えることができるようになりました。それぞれ家庭の事情も、育児と仕事のバランスに関する考え方も違うと思いますし、今自分ができることを頑張っていこうと思っています。

 話は変わりますが、時々聞かれるのがOFFの日は何をしているか、ですね。最初の3年間は保育園も使いつつメインは実家に泊りがけで預けていたので、ほとんどその移動に費やされていました。あとは溜まった家事を片付けたり、娘をスイミングに通わせたり、お弁当を作って公園でプチピクニックをしたり、ご近所の方々と交流したり、バタバタしながらも育児ライフも楽しめた4年間でした。

 

 何だか散漫な文章になってしまいましたが、もし研修医の女医さんで出産・育児と仕事に関することで不安に思うことがありましたら遠慮なく聞いてくださいね。私の経験は1例に過ぎませんが、少しは参考になるかと思います。

​シニアレジデントからのメッセージ

シニアレジデントからのメッセージ

■H31年卒 霜田 将之

 R2年度入局の霜田将之です。私は研修医1年目に横浜市立大学付属病院、2年目に横浜市立大学センター病院をローテートし、そのまま横浜市立大学整形外科に入局いたしました。研修では関節鏡手術やエコーを用いた外来治療、高度3次救急センターにて重症外傷に対する手術、変形関節症に対する人工関節置換術、脊椎手術、軟部腫瘍手術を学びました。どの領域の先生方も優しく、プロフェッショナルで憧れました。

 

 私が横浜市立大学に入局した理由は3つあります。

 まず一つ目は熱心な指導医が多く、学ぶ機会が多いことです。Zoomを使った勉強会や、Wound Closure Seminarといった手技を学ぶ会がたくさんあります。勉強会に参加することによって自分の知見が広まり、また多くの指導医に普段の診療の疑問を質問する機会が得られるのは大変魅力的であると思いました。

 次に関連病院が神奈川県の基幹病院であることです。どの病院に勤めても患者が集まるので症例経験を積めることが確約されているのは安心でした。

 最後に熱心な同期が多いことです。横浜市立大学病院出身でない私にとって他大学出身の先生が多く入局し、学閥がない風通しの良い医局はとても居心地が良いです。

 

 整形外科に入局を考えている皆さん、ぜひ一緒に働きませんか?もしこの文章を読んで入局してくださった方がいたらぜひ飲みに行きましょう(コロナが落ち着いたら..)

■H31年卒 脇田 竜生

 整形外科1年目の脇田竜生です。私は研修1年目はたすきがけの市中病院、2年目に大学病院で研修をしました。私は元々整形外科医になりたくて医師になりましたが研修医の時は整形外科とは真逆で内科を中心に研修をし、整形外科は2年間で3ヶ月ほど研修をしました。

 

 大学病院で研修中、基本的な手術1つとっても解剖から展開など細かく学んでから手術を行う重要さを学びました。また外来診療で診断に悩む症例に対しても診断を確定するまで諦めず食らいついていく先生方を研修中なんども見て多くのこと学ぶことができました。また筋肉や神経など視覚的に把握し診察の一助となるエコー診療を大学病院で経験し、エコーに魅了されました。

 今私は市中病院で整形外科をしていますが、多忙の中でも大学で研修して学んだ大事なことを思い、時間がある時に勉強しています。

 

 私は横浜市立大学出身でありますが神奈川県内に多数の関連病院があり神奈川県内での勤務を考えている自分にとっては横浜市立大学の医局に入局する以外考えられませんでした。

 横浜市立大学の魅力は何といっても県内の関連病院の豊富さとさまざまな分野の手術、診療を学べる点です。まだ私は整形外科1年目であるためあまり整形外科についての知識があまりなく、初めて外来診療の場に立ち不安な中診療を行っていましたが、上級医の先生がおられさまざまなアドバイスをいただいて診療を行っておりました。大学から来られる先生もいらっしゃるのでエコー診療などを学びながら診療を行うことができています。

 

 整形外科は非常に需要のある科の1つであり、私もまだかけだしではありますが、かけだしでも即戦力として活躍することもできます!骨折だけではなく腫瘍、リウマチ、スポーツなどさまざまな分野もあるため自分のやりたい分野を見つけることができます。

 

 ぜひ整形外科に興味のある方は一緒に働きましょう!お待ちしてます!

■H30年卒 稗田 裕太

~たくさんの学ぶ機会をありがとうございます~

 

 平成30年度卒、整形外科歴2年目のシニアレジデント兼、大学院生1年目の稗田裕太です。現在、横浜市立大学附属病院で股関節グループにて専攻医として修行中です。整形外科の面白さに魅かれた研修医、整形外科の奥深さと専門領域の幅広さに驚いたシニア1年目、そして大学で研究と臨床双方で刺激的な毎日のシニア2年目となり早くも2ヶ月経とうとしています。

 

 少し遡ると、自分は関連病院の数が多く神奈川県内にほぼ収まっている(引越しの必要性がほぼないのかなと。)こと、出身が横浜であり愛着があったこと、見学の際の医局の雰囲気が良かったことなどから、横浜市立大学運動器病態学教室に入局しました。しかし、入局前の印象は横市の多くの魅力の氷山の一角に過ぎないことは、入局時の自分には知る由もありませんでした。

 

 入局時、不安で不安で右も左も、注射もエコーも、スクリューもプレートも、包帯もギプスも何も分からない自分でしたが、十二分な先輩たちからの指導体制および若手を中心とした勉強会、基本の基本から学べる幅広いカリキュラム、分からないことを分からないと言える風通しの良い素晴らしい環境がそこにはありました。コロナ禍で面と向かった勉強会ができない時期が続いていますが、医局の先輩方はそんな逆境に負けまいとさまざまな工夫をしていただきながら、オンライン勉強会を開いてくださいました。現在の診療で非常に役立ち実感しております。ありがとうございます。

 

 現在自分は、月曜日は病棟管理、火曜日はCTベースのNaviを用いた人工関節や骨盤骨切、ロボットを用いた人工関節などの股関節グループの手術、水曜日は外来で働き、木曜日は外勤、金曜日は大学院の研究日としています。月火水での朝カンファでは、英語での手術症例検討、研究・発表などに特化したレクチャーなどを行っております。他グループの症例であっても、専門的なことから典型例の症例まで幅広く扱っておりますので、カンファを聞いているだけでも勉強になります。英語が苦手で学生時代赤点スレスレだった自分にとっては、英語カンファは最初戸惑いましたが、次第にやっていくうちに慣れてきました。働いている人数も多いので当直は月に1-2回です。緊急手術の際など正直平日は大変な時もありますが、基本休日は妻子と動物園に行ったり、ピクニックに行ったり、専門書の代わりにアンパンマンの絵本を読んだり家族とのんびりしています。

 

 少し大袈裟の様に聞こえるかもしれませんが、横市整形に入局して後悔したことはまだ一つもないです。今後困難にぶち当たることもあると思いますが、(すぐ誰かに相談して)乗り越えて医局を盛り上げていけたらと思います。

■H28年卒 東 親吾

1.横市の医局に入った理由

 横浜市で父が整形外科クリニックを開業しており、いずれは継承したいと考えています。クリニックの病診連携は大部分が横市整形外科関連病院でしたので、自らが医局に所属するのが最適だと考えていました。

 また大学生時代に父が2回ほど倒れ、その時は事なきを得ましたが、急な時に駆けつけられる場所で働いていたいと考えていました。

 関連病院の大部分が神奈川県内にあり、横浜市の住居から転居することなく働くことができていますのでとても有難く思っいます。

 

2.横市の魅力

 200名を超える大所帯、部活(体育会系)のノリでワイワイ仕事できております。

 関連の総合病院では各領域のエキスパートが揃っており、偏りなく研鑽を積めるのではないかと思います。

 また、脊椎センター、子供医療センター、がんセンターなど専門に特化した病院も関連にあり、一つの道を突き詰めることもできるのが魅力なのではないかと思います。

 

3.どんな診療をしているか(どんな診療を外病院でしてきたか)

 市中病院では外傷を中心とした一般整形外科を、センター病院では人工関節や関節鏡手術を行う関節外科を、脊椎センター・大学病院では脊椎外科を学ばさせて頂いています。また、超音波診療を学ぶ機会があり満遍なく各領域に携わる事が出来ていて大変有意義です。

 

4.休日の過ごし方

 娘の世話、家族サービスに勢力を注いでいます。

5.それぞれの立場で、大学で学んだこと、学んでいること

 大学病院の若手は他病院に比べ手術の件数は少ないですが、しっかりとした術前カンファレンスがあるため、手術適応の考え方をしっかり学べるのではないかと思います。

 検査に関しても私は脊椎グループですので、ミエロ検査、神経根ブロック、針筋電図などを基礎から学ばさせて頂いています。

 同期がいるのも大学の良いところだと思います。他グループに同期がいるため、上の先生には聞きづらい簡単な疑問も気軽に質問できます。

研修医・医学生からのメッセージ

研修医・医学生からのメッセージ

■2021年度

 医学部5年の師岡海和です。 

2021年の4~7月の研究実習(リサーチクラークシップ)で、整形外科のスポーツクリニックに配属させていただきました。僕はもともとスポーツ整形外科志望であり、配属が決まった際はとても嬉しかったのを覚えています。

 

 臨床研究の内容は、凍結肩の最新治療であるサイレントマニピュレーションの治療成績を患者さんのデータをもとに統計で調べるというものでした。初めてサイレントマニピュレーションの手技を見学した際は、実際に術後肩関節の可動域が大きく改善した患者さんを目の当たりにして、感動したのを覚えています。臨床データをまとめたりMRI画像を評価する作業に苦戦することもありましたが、整形外科の最新治療の研究に携わることができたのはとても良い経験となりました。本当にありがとうございました!

 

 また、僕はもともと整形外科志望であり、リサクラの際に手術や外来の見学もさせていただきましたが、その際に整形エコーの魅力に引き寄せられました。整形外科領域の中で、エコーは筋肉などの皮下組織を見ることができないとされていましたが、近年画質の精度が上がり臨床現場でも積極的に用いられるようになってきています。外来で気軽に使うことができて患者さんに侵襲が無いという点で、今後もX線やCTに並ぶ診断ツールとして重要性が増してくると考えられます。

 

 エコーは侵襲が無く学生でも扱いやすいこともあり、僕はリサクラ期間後も整形エコーの練習をしに外来に度々お邪魔しています。後期研修医の先生とお互いの体にエコーを当てあい教科書と同じ画像を出そうと試みますが、プローブの当て方や体型などによって見え方が変わってしまい、エコー診断の難しさを実感しています。解剖の知識があればより画像の理解が深まることも実感し、実習の合間に解剖学の教科書を復習していますが、2年生の解剖実習をもっと真面目にやっておけばよかったと今更後悔しています(笑)。

藤澤先生、宮武先生のご指導も仰ぎながらこれからも練習に励んでいきたいと思います。先生方、これからもどうぞよろしくお願い致します。

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■2018年度

 学部5年生の石田です。

 

 先月、Orthopeadic research society 2018のポスター部門で発表をさせていただきました。2017年度リサーチクラークシップから、整形外科の教室にお世話になり、プログラム終了後も続けてきた研究を、ORSという世界的な学会で発表させていただく事ができました。

 

 僕のこの一年間の研究生活を簡単にまとめますと、次のような感じです。

 

4月:研究テーマの模索と、関連論文を漁る。

5月前半:テーマの決定と研究設計。

5月後半~6月:データの収集と、その統計解析など。

7月:学内でのリサーチクラークシップの成果発表(プログラムは終了)。

8月:ORSの査読に向けて、リサクラ発表を磨き直し、Abstractの作成。

(9月~11月:毎日の座学とCBT、OSCEの勉強。)

11月半ば:ポスター部門での採用通知。

1月中旬~2月:ポスター作成、整形外科教室で予演会。

3月:ORS 2018 New Orleansで発表。

 

 今回の発表のテーマを決めるに当たって、僕はまず成人脊柱変形のパラメーターについてやろうということだけ決めていただいて、研究の目的や設計は自分で考えさせていただきました。はじめは、形にできるのかとてもわからないところから、先生方にアドバイスをいただいたり、論文を漁ったりして、少しずつ形になってくるとそれが楽しく、大変な事も多かったですが楽しんでやる事ができました。期間が決まっている中で、自分自身のアイデアで研究をさせていただき結果を出す事ができたことは、先生方のご指導のおかげであり、とても恵まれていたと感じます。この経験は僕の今後の医師人生の宝物になると思います。

 

 次は、横浜市立大学整形外科の医局員としてORSに参加できますように、この1年で培ったリサーチマインドを持ち続けて、ここに戻ってきたいと思います。

ありがとうございました!

 

 崔先生と、またNBAも見に行きたいな!笑

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■2015年度

医学部学生5年 内山 真

 3月28日~4月2日にかけて、ラスベガスで行われたORSに参加させていただきました。昨年4年生時の4月~7月での研究実習(リサーチクラークシップ)で整形外科を希望させていただき、小林直実先生のご指導の下で研究をさせていただきました。

 

 研究内容としては、THA後における骨代謝マーカーと骨密度の変動についてというものでした。もちろん整形外科に関する知識がほとんどない状態であっただけでなく、電子カルテの見方、統計の方法などわからないことだらけでのスタートでしたが、小林先生をはじめとする先生方のご指導のおかげでなんとか研究として形にすることができました。そして実習の最後には優秀者のうちの一人として表彰していただくこともでき、非常に有意義な実習期間となりました。

 

 実習期間が終わったあと、せっかくなのでORSに抄録を出そうと先生に勧めていただき、これもまた初めての経験だったのですが英語で抄録を書き、なんとかポスター発表をさせていただけることとなりました。今年のORSはラスベガスで行われるとのことで、海外に行ったことのなかった私としては非常に不安でいっぱいだったのですが、先生方は皆様本当に優しく、とても楽しい時間を過ごすことができました。毎日先生方に食事やショーに連れて行っていただき、医局員ではないただの学生であるのにもかかわらず、チームの一員のように接していただき本当に感謝しています。

 

 肝心のポスター発表は、質問されたらどうしようと不安でいっぱいだったのですが、結局特に質問をされることはなく、ホッとした反面、少し残念な思いもありました。おそらく自分の自信なさげな雰囲気が伝わってしまったのだと思うので、英語で自信を持って質問に受け答えできるようにしっかり勉強して、将来チャンスがあったらリベンジしたいと思います。そしてゆくゆくは英語でのオーラル発表も目指したいです。

 

 帰りの飛行機がオーバーブッキングになって1泊余計に泊まることになったのも今考えるといい経験になったと思います。

 

 正直私は整形外科で実習をさせていただくまでは、医師の仕事として、患者さんを診るこの印象がほとんどだったのですが、先生とお話させていただいたり、実際に海外の先生方の研究も目の当たりにしたりして、医師は一人の研究者でもあるのだという思いが非常に強くなりました。自分の研究の成果をたくさんの人に伝えるということの難しさ、大切さを学ばせていただけたという点で、今回の経験は私の人生の中でも本当に大きな財産となったと思います。今回このような機会を与えてくださり、お忙しい中大変親身になってご指導してくださった小林直実先生を始めとする整形外科の先生方、細やかなお気遣いをいただいた秘書の佐治さんには本当に感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。

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​大学院生からのメッセージ

PhD studet

■H29年卒 大学院生 安部 晃生
臨床と研究

専門医研修と大学院について

 

 H29年卒の安部です。私は初期研修2年目で横浜市立大学附属病院の整形外科をローテートし、その際に入局を決め、翌年に整形外科専攻医研修を開始すると同時に大学院にも入学いたしました。

 

1.大学院に入った理由

 私はもともと、漠然と研究に興味がありいつかは研究もしたいなと思っていました。研修医2年目で入局について相談させていただいた時に、崔先生にもそのことをお伝えしたところ大学院というものがあること、横浜市大では社会人大学院生という制度があることを教えていただきました。

 

 横浜市大の大学院生には2種類の人がいます。大学院生として、実験・研究をメインに活動しその合間に外勤・バイトを行っている人と、社会人大学院生として臨床を継続しながら研究を行う人です。前者の場合は、多くの先生は専門医を取り終えた先生が入られており、臨床活動をセーブして研究に打ち込んでおられます。私は、専門医取得のため専攻医研修プログラムを行うことは決めていたので、専攻医研修と並行して行うことができる後者を選択いたしました。(現行の専攻医研修制度では、研修施設に専攻医として所属することが義務つけられているため、前者のような大学院をメインにすることはできません)

 

 また、実際に附属病院で研修している間にも臨床研究の手伝いをさせていただく機会があり、そこで実際の患者さんとそこから生まれる疑問(クリニカルクエスチョン)を解決しようとする先生方の姿勢(リサーチマインド)を目の当たりにし、とても感銘を受けました。

 そして、最後に入学の後押しとなったのは「流れ」です。崔先生からの後押しや入局説明会で稲葉教授が大学院での研究について勧められていたことも後押しとなり、入学を決めました。

 

2.大学院の魅力

 大学院に入学するメリットは、博士号を得ることができる点はもちろんですが、研究への姿勢・考え方を学ぶことができ、なおかつ研究を指導していただけるという所です。大学院に入学しなくても臨床研究を行うことはできますし、論文を書くこともできると思います。しかし、研究のはじめ方や論文の書き方など自分一人で始めることはなかなか困難です。大学院生は色々な先生に指導を仰ぐことができるので、そういったことも教えていただくことができます。特に基礎研究については自分で1から始めることはかなり難しいと思いますが、大学院に入学すれば先生方から指導していただけたり、研究助手さんにお手伝いいただいたりすることもできます。そのような指導の過程で、研究する姿勢や考え方を学ぶことができるということが大学院に入学する一番のメリット・目的だと思います。

 

 横浜市大の大学院の魅力は、研究のアドバイスをくれる先生が沢山いらっしゃるという所にあると思います。大学では、年に数回大学院生の研究についてカンファレンスを行い、研究の進捗などを共有する場があり、稲葉教授をはじめ沢山の先生方から自分の研究についてアドバイスをもらうことができます。また、研究テーマについて共有していることで、個人や各グループの垣根を超えて様々な研究を協同して行うことができることも魅力と感じます。

 

 最後に専攻医の大学院については、まずなにより早いうちに専門医と博士号を取得できるという点でおすすめです。私は専攻医1年目に大学院に入学しました。整形外科としての経験も未熟なうちに大学院に入ることは不安でしたが、先生方のご指導のおかげもあり、非常に充実して研修・研究を行うことができました。具体的には、大学に所属していた2年間で、1年目は整形外科としての基本を学ぶと同時に研究の基礎を教えていただき、2年目には人工股関節全置換術などの手術を執刀させていただきながら、研究日もいただき基礎実験も行う機会をいただいていました。また、現在の専門医プログラムでは、大学での研修が義務づけられており、4年間のうちに必ず大学をローテートすることになりますが、その際に大学院で必須の授業を取り終えてしまうことはかなりメリットだと感じます。社会人大学院生として他の病院に所属している場合には、その病院の勤務後などに授業を取らなければならず、その点でも専門医研修中に大学院に入ることも良いと思います。

 

3.どんな研究をしているか

 私自身は、股関節Groupに所属して股関節疾患について研究を行っています。特に、股関節の感染についての研究や人工関節の研究を行っています。また、3Dプリンタを使用した手術シミュレーションなども行っており、CT画像を用いた3次元解析なども行っており、今後はこれらに加えてVR技術なども研究していけたらと考えています。

 

4.余裕ができた時間をどう過ごしているか

 論文の執筆はもちろん、学会発表の準備、自分の勉強に充てることが多いです。研究日などで時間に余裕があるときは、他の先生の実験をみたり、他の先生の研究の手伝いなどをしています。また、休日には息抜きのために映画を観たり、バイトに行ったりしています。

 

 長くなりましたが、大学院に入るということは少なからず負担もあります。ただ、その負担を上回るメリットがあると思いますので、もし少しでも研究活動に興味があればぜひ入学を検討してください。

 迷っている方はぜひ医局長や大学の先生などに相談していただければと思います。

■H26年卒 大学院生 渡部 慎太郎
 H26年卒、大学院生の渡部慎太郎と申します。私は入局3年目から社会人大学院生として、市中病院に勤務しながら大学院生として研究しています。大学院生の生活や魅力について簡単に述べさせて頂きます。

 

パワーワード 大学院で研究しましょう!

 

1.  大学院に入った理由

 私は入局2年目に大学の股関節グループに所属し、股関節グループの先生方に大学院入学を勧められたことがきっかけでした。大学では最先端の研究が行われており、私も研究に携わりたいと思い、大学院に入学しました。

 

2.  大学院の魅力

 研究していく過程で様々な知識を得られることだと思います。私は臨床研究をしているので、得られた知識は実際の臨床において役立つことが多いです。また自分の書いた論文が掲載された時の喜びはなかなか得難いものだと思います。もちろん大学院に所属していなくても研究や論文作成はできると思いますが、大学院に所属すると研究のスペシャリストの先生方にご指導して頂けるため、より充実した研究が可能だと思います。

 

3.  どんな研究をしているか

 主に人工関節周囲感染に関する研究と人工股関節置換術後の脊椎・骨盤アライメントに関する研究をしています。人工関節周囲感染については、小林直実先生、稲葉教授にご指導頂き、人工関節周囲感染の診断における細菌培養法や培養陰性人工関節周囲感染の臨床的特徴について研究しています。人工股関節置換術後の脊椎・骨盤アライメントについては、崔先生、稲葉教授にご指導頂き、人工股関節置換術後に脱臼リスクが高い脊椎・骨盤アライメントやその原因について研究しています。

 

4.  余裕ができた時間をどう過ごしているか

 私は社会人大学院生なので、1週間のうち半日だけ大学に行き研究しています。半日しかないので、データ集めや論文作成、学会発表準備などで半日はあっという間に過ぎていきます。さらに授業を受ける必要があるため、市中病院に勤務しながらの大学院生活は少し忙しいですが、とても充実しています。

 

 最後に、大学院での研究は、大変なこともありますが、必ず自分のためになると思います。ぜひ大学院で一緒に研究しましょう!

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