毎年開催されている骨粗鬆症の勉強会に参加させていただきました。
大腿骨近位部骨折をはじめとした骨折治療は整形外科医の醍醐味の一つであると考えており、その治療方法に関して活発に議論することは非常に興味深い事項であります。しかし、その骨折の予防の要となる骨粗鬆症に関する話題となると、途端に口をつぐんでしまう整形外科医は、自分を含め若手を中心にまだまだ多いと思っております。特に椎体圧迫骨折のような手術による介入がしにくい領域となると、余計に苦手意識が芽生えてしまいます。このような領域に関しても定期的に勉強する機会を与えてくださり、大変感謝しております。
第一部は股関節クリニックでお世話になっている秋山先生による、「骨粗鬆症診療について ガイドラインを中心に」の講義でした。そもそも骨粗鬆症がどのような状態かということから始まり、目まぐるしく進歩する診断、治療方法に関して体系的に学ぶことができ、実際の診療に即した内容でした。今回だけで骨粗鬆症をマスターできたと勘違いしないよう、自制しなければなりませんでした。
第二部は股関節クリニックの同期入局のエース、稗田先生による「PTH製剤を用いて治療した非定型大腿骨骨折の1例」と、同じく同期入局で自分と漢字一文字違い、長島先生による「骨粗鬆症を有する高齢者の脊椎疾患に対する治療戦略」の講義でした。いずれもエキスパートな骨粗鬆症診療を実際に掘り下げて考察しており、勉強になった上に同世代の先生方の診療レベルの高さを目の当たりにして、大変刺激を受けました。
Closing Remarksとして横浜掖済会病院の藤巻先生による今後の展望、また治療薬選択に関する方針の実例をご教示いただきました。骨粗鬆症自体には患者さん側の自覚症状もなく、そのような意味でも難しい領域ですが、いかに啓蒙するかという点や、診療に関わる全ての人々が同じ方向を向けるようなモデルを勉強させていただきました。
最後になりますが、講義をいただきました皆様、今回も企画を主導してくださいました池先生、手塚先生、川端先生、宮武先生、恒例の集合写真を撮ってくれた都竹先生、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
専攻医3年目 練馬光が丘病院 中島尚嗣
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