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整形外科 横浜市立大学

横浜マラソン2024にドクターランナーとして出場しました

横浜市大整形外科スポーツグループの東です。10月27日に行われた横浜マラソン2024🏃にドクターランナーとして出場して参りましたのでご報告します。


横浜マラソンは1981年に創立され、現在は東京マラソン、大阪マラソンに次ぎ日本で3番目の規模を誇る大会です。例年25000人を超えるランナーが出走し、大会の運営をサポートするボランティアも5〜6000人におよびます。メディカルスタッフは本部とコース上の15の救護室に配置されるほか、ドクター、ナース、救命士ランナーは市民ランナーと同時にスタートしてコースに目を配りながら走ります。


日本のランニング人口は増加傾向にあり、道具を必要としない気軽さから、コロナ禍においてもランニング人口は減少するどころか2020年に過去最高の10.2 %を記録したそうです。スポーツ外来でもランナーの腱付着部症や半月板損傷を診る機会が多いと感じています。一方で、中高年スポーツにおいて心停止が最も多いのもまたランニングだと言われています。メディカル向けのマニュアルにも行動の「基本は心停止のランナーを救うこと」と強調されていました。コース上にはFirst Responder(FR)隊と呼ばれるAEDを背負った救命士スタッフが自転車にまたがって至る所に待機していて、各所で通報があればすぐに初期対応を行える体制となっています。


当日は最高気温24℃でマラソンにはやや暑い日となりましたが、秋らしいいわし雲が広がる爽やかな気候でした。スタートの横浜ランドマークタワーでゲストのアレックス・ラミレスさんや谷原章介さんなどに見送られて28000人のランナーがスタートを切りました。フルマラソンは赤レンガ倉庫、山下公園のみなとみらいエリアを通り、三溪園、新杉田を経て横浜南部市場で折り返してみなとみらいへ戻る42.195kmのコースです。復路では21~37㎞付近で首都高湾岸線を走れるのも見どころとされていますが、車が安定してカーブできるようにつけられた微妙な傾斜がランナーの足を左右非対称に消耗するほか、高速に入るためのアップダウンや、日差しや風を遮るものもないことなどから横浜マラソン最大の難所といわれています。


魔の首都高30km地点。このゴリラすら憎く感じてしまう。

幸い自分の周囲では大きなトラブルはなく、往路で足を攣ったランナーの対応を行った以外は基本的に自分のペースで走らせて頂きました。魔の首都高は本当に長く感じ、さらに35km付近で粘度の高いスポーツジェルが喉に張り付いていくら咳をしても取りきれず窒息しかけるというアクシデントにも見舞われましたが、ドクターランナーである手前なるべく涼しい顔で給水スタッフから水を受け取り、必死に流し込んで復帰致しました。殺伐とした高速道路を降りて華やかなみなとみらいエリアに戻ると沿道の応援に再び後押しして頂き、無事に完走しました。


当日のランニングアプリ。2783 kcal消費しました。

後から聞くと友人のナースランナーは心停止に2件遭遇したそうで、市民スポーツであるマラソンに潜む危険性を改めて感じました。マラソンは競技人口も多く、非日常的な達成感とやりがいを楽しめる素晴らしいスポーツなので、一市民ランナーとしてもドクターランナーとしても記録向上も目指しながら細々と練習を続けていきたいと思います。大会を運営頂いた他のスタッフの皆様、沿道で応援頂いた皆様、有難うございました。



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