横浜市立大学附属病院 腫瘍クリニック所属の清水です.
この度, 4月から9月にかけて, 附属病院の腫瘍クリニックで研修をさせていただきました.
これまでは一般病院のローテートが多かったため, 診察で出くわす腫瘍は少なく, そのほとんどが良性であり, 積極的に診療はしてこなかった分野でした. 勤めていた病院では, 過去に良性を疑い悪性であったなどというトラブルも耳にしており, 一般整形外科医にとってもなじみの薄い分野であると思っておりました. そんななか腫瘍分野での研修がはじまり, トップの根津先生をはじめとして大変ありがたいご指導をいただき, 貴重な半年間の研修となりました. 診療のフローも手術での操作も, 一般整形分野と異なる点があり, 意識の差で患者さんの予後にも大きく関わってくる分野だと感じました. 特に悪性腫瘍の分野では緊張感を持ち臨みました.
大変奥が深く, 半年間では全ての網羅は難しい分野でしたが, この半年間での経験を活かし, 今後一般病院へ戻った際には適切な時期に適切な検査をし, 然るべき施設へ紹介をするという心持ちができました. 研修では至らぬ点が多くチームの先生方にはご迷惑をおかけしましたが, 都度手厚いご指導をいただきました. この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います.
また, 他クリニックの先生方にも大変お世話になりました. カンファレンスでは大学ならではの貴重な症例の検討に参加でき, また各チームに相談もしやすく, 勉強をするにも臨床をするにも大変良い環境でした. 半年間大変お世話になりました. 今後ともどうぞよろしくお願いいたします.
最後に, 提出しようとしていてずっと眠っていた学会参加ブログを下に転記いたしますので, こちらも読んでいただけますと幸いです.
第57回日本整形外科学会 骨・軟部腫瘍学術集会に参加してきました.
7月11日から12日にかけて, 福井県福井市にて骨軟部の学会に参加してきましたので記事にさせていただきます.
今回の学会のテーマは「ダイバーシティで進化する腫瘍の格致」ということで, 日々進化する治療法や解明されつつある病態など新鮮なトピックスが多い学会となっていました. 初学者の私にとってはどれも目新しいものばかりでしたが, 日々の診療で議論になるものにも触れられており, 診療のヒントが得られる非常に有意義な時間となりました.
当クリニックからは根津先生・吉田先生の演題発表がありました. 根津先生は「進行軟部肉腫に対する二次治療のリアルワールドデータ」についてご発表されており, 国内外での二次治療のデータ比較や今後の課題が示されておりました. 国内では海外と比較し取りうる治療薬選択がまだまだ多いとは言えず, 今後JCOGなど治験を通して更なる治療薬選択が得られることで新たな展望が期待されました. 吉田先生は原発性悪性骨腫瘍患者の予後予測についてポスター発表をされており, PNI(prognostic nutritional index)が予後予測において有用であり, その上で今後は栄養介入が予後への影響も示唆されるとして非常に興味深いものでした. また, 吉田先生はシンポジストとして当院で行ったCLAP療法について発表され, 腫瘍感染領域の権威の先生と熱い討論が交わされておりました.
また, 会場では骨軟部学会ならではの病理標本供覧ルームが設置されておりました. 診断に難渋されている症例や珍しい症例が全国から集まっており, 普段病理を全然見ない僕でもつい顕微鏡を覗きたくなってしまいました.
また会場には腫瘍用人工関節をはじめとした各メーカーのインプラント展示や教科書展示もありました. ちょうど週明けに腫瘍用人工関節の手術が控えていたこともあり, 斉藤先生が熱心にメーカーさんと話していたのが印象的でした.
ランチョンセミナーは福井の郷土料理やカツ丼などの名産品が詰め込まれた満足度の高いお弁当が出ました. なかなかのカロリーです. 写真を撮り忘れてしまいましたが, アフタヌーンセミナーもシフォンケーキ, マリトッツォ, ラスク, フルーツ盛り合わせ, 午後の紅茶とこれでもかという内容でこちらも有り難くいただきました.
夜はチームで福井の海鮮を食べに行きました. 神奈川県立がんセンター勤務の同門の志賀先生も参戦してくれました. 仕事の話から始まったと思うのですがだんだんディープな内容になっていき, 酔っていてあまり覚えていませんが, チームの絆が深まった夜となりました. ホテルが一緒だった根津先生, 吉田先生, 清水は一緒に温泉とあつあつのサウナも楽しみました. 福井の街夜景を眺めながらの外気浴で整えて大満足でした.
最後に, 今回学会は多くの方のご配慮のもと参加できました. 各種手配をしてくださった医局秘書の佐治さん, 留守中の病棟をお願いした日詰先生, 武藤先生をはじめとした先生方, 大変ありがとうございました. 今後ともこの経験を活かし, 精進いたします. どうぞよろしくお願いいたします.
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